春のお知らせです!
今年2019年も、早稲田大学オープンカレッジで講座を開催します!
今年は、「江戸時代キモノ」基本中の基本を、参加しやすい4回講座にコンパクトに凝縮しました! 4つの女性像「花魁」「芸者」「娘」「妻」それぞれのキモノファッションについて、彼女たちのライフスタイルと歴史的変化を絡めつつ、お話する予定です。
江戸好きな方、歴史好きな方、歌舞伎や浮世絵がお好きな方、そしてキモノ好きの皆様、ぜひお気軽にご参加くださいませ。
人物像で読み解く「江戸キモノファッション文化史」
〜花魁、芸者から、町娘に年増まで〜
【日程】5/11(土)、5/25(土)、6/8(土)、6/15(土)
【時間】13:00~14:30(90分)
【場所】早稲田大学エクステンションセンター
中野校キャンパス →MAP
(JR中央線、JR総武線、メトロ東西線 「中野駅」徒歩10分)
【定員】40名(上画像で定員25名とありますが、お申込み多数のため定員が増えました!)
【目標】
・江戸時代の「着物のルール」や「歴史的変遷」を知る。
・歌舞伎、舞踊、浮世絵、文学、映画などをより深く理解できる。
・実際のキモノの着こなしにも役立てることができる。
【講義概要】
着物が日常着であった江戸時代、身分や職業、年齢などによって装いに差異・特徴があるのは当然のことでした。そんな江戸時代の「装いのルール」や「歴史的変遷」について、具体的な「人物像」(花魁、芸者、町娘など)を設定し、その人物の「ライフスタイル」もお話しながらわかりやすく解説します。
また、浮世絵、歌舞伎、日本舞踊、映画、文学などの諸芸術における「装いの描かれ方」について、さまざまな資料を使って、楽しく理解していく予定です。
【各回の講義予定】
5/11 花魁 〜吉原を中心に、遊女たちの様々な装い
5/25 芸者 〜「粋」を体現する女たちと、その歴史的変遷
6/08 町娘・姫君 〜町人の娘と武士の娘、子ども時代の装いも含めて
6/11 女房・年増〜 大人の女たち、そして江戸と上方の違いについて
→講座概要ページはコチラ
※ 基本の講座なので、これまで受講したことがない方でも大丈夫です!
【受講費】
早稲田大学オープンカレッジ会員の方 11,664円
早稲田大学オープンカレッジ会員ではない方(ビジター) 13,413円
【早稲田大学オープンカレッジ会員について】
・会員の有効期限は、入会年度を含めて4年度間(3月末日まで)
・入会金8,000円(税込)
・入会金6,000円の特例(過去に受講されたことのある方、早稲田大学オープンカレッジ会員・早稲田大学卒業生・早稲田大学在学生父母からの紹介、早稲田大学卒業生、東京都新宿区・中央区・中野区に在住・在勤の方、ほか)
・入会金無料の特例(早稲田大学・系属校の在学生、早稲田大学・系属校の在学生父母、ほか)
・会員特典あり(早稲田大学中央図書館が使用できる!、など)。
・会員について詳細は、コチラとコチラを御覧ください
・会員にならずに、ビジターとしての受講も可能です
・ビジターについては、コチラを御覧ください
【申込方法】Web、Tel、各校事務所窓口にて受付中
・お申込み方法については、コチラを御覧ください
「江戸時代のキモノルール」を知ると、浮世絵が10倍深く楽しめる!
早稲田大学エクステンションセンターでの講座も、今年でなんと、6年目になりました…! 毎回、切り口を変えて(歌舞伎、映画、文学、泉鏡花などなど)開催してきましたが、今年は「江戸のキモノファッション基本の基本の基本」というコンセプトで、回数も少なめの4回講座にギュッと凝縮して開催します!
で、突然ですが。ここ数年、浮世絵ブームと言いますか、5年ほど前などに比べると、格段に「キモノやファッションやお洒落という視点で、浮世絵を見る」という企画展が、急に増えたように思いませんか?
そんな時に必要になるのが、この「江戸のキモノファッションのルール」という知識、です! この知識があれば、それが無かった時に比べて、浮世絵を10倍は深く楽しめる&理解できるようになります(当社比)。
そもそも私が、10年以上前から、ずーっと「江戸時代のキモノファッションのルール」について本を書いたりブログを書いたり喋ったりしてきたのは、浮世絵、歌舞伎、日本舞踊、江戸文学、近代文学、時代ものの映画……などを深く理解し味わうために、私自身がそうした知識をノドから手が出るほど必要としたから、でした。
もちろん、浮世絵を見てただ「キレイねぇ」と感動することは可能だし、それを否定するわけでは、勿論ありません。でも、「これは吉原の花魁だな、しかもこの装いはおそらく寛政期頃だろう」とか、「これは若い女の子に見えるけど、この髪型だから実は年増を描いているんだろうな」などなど、その浮世絵が「何を描いているのか」がハッキリわかったほうがもっと楽しめるはずですよね。
それは、歌舞伎や、時代もの映画を見るときでも、同じです。「あれ? 現代と違って、あの女の人は帯を前で結んでる。当時の流行かな、それともあの人の趣味かな」と思う方もいるでしょう。でも実は、女性の帯の前結びは、流行ではないし、個人的趣味でもない。それは、当時のキモノのルールであり、そこには「意味」があり、その後ろには「歴史」があるのです。
江戸時代には、そうした細かなルールがたくさんあります。が、それらを一つ一つ知ったとしても、それは単なるトリビアに終わってしまい、あまり役には立たないでしょう。なぜなら、そうしたルールは、さらに、時間軸に沿って変化していくからです。
よく考えればわかりますが、江戸時代だけで270年もあります。例えば、元禄時代の吉原の遊女と、文政期の吉原の花魁は、まったく装いが違うんですね。テレビなどでよく一口に、「江戸時代の遊女はこうでした!」と言ってしまうのを耳にしますが、それはちょっとザツすぎるなぁ…と(笑)。
というわけで、私の講座では、「歴史的変遷」という時間軸を、もの凄く、大事にしています。「それぞれの装いが、時間軸に沿って、どのように変化して、近代にまでたどり着き、そして現代のような形になったのか? その経緯や、如何に?!」…というわけなのですが、どうでしょう、結構、スリリングかつサスペンスフルな内容だと思うのですが(笑)。
「江戸時代のキモノルール」を知ると、現代キモノが10倍深く理解できる!
そして、さらに言えば、「江戸時代のキモノルール」という知識は、実際の現代のキモノライフにも、かなり役に立つ! と私は思っています。その知識がない時に比べれば、現代のキモノを10倍は深く楽しめる&理解できるようになります(当社比)。
なぜなら、江戸時代のキモノと、現代のキモノは、かなり変化しているとは言え、やはり「地続き」だから。
というのも、「なんで?」「変なの!」と思ってしまうことも多々ある「現代のキモノルール」ですが(笑)、江戸時代のキモノルールを知ると、「あー、そういう歴史があって、この現代のキモノルールができたのか! なるほどね!」と、膝を打つことが多いんです。
つまり、「そのルールはそもそもこういう歴史的経緯があってこうなったわけだから、つまり『本質』はこれこれにある、と。だから、現代に生きる私はこう解釈して、実際はこうすることにしよう」と、冷静に判断して、自信をもって自分なりの選択をすることができるようになる。
そうなるとどうなるかってぇーと(にわかに江戸弁)、「江戸時代のキモノルール」を理解していれば、「現代のキモノルール」に対して、「日本古来のルールは絶対だ!伝統は守るべき!」と無闇にルールを信奉して老害扱いされることもなくなるし、逆に「そんな意味不明ルールは守る必要ない!オレ流にやる!」と無闇に自己流で突っ走ってコケることもなくなる(笑)。いいことづくめですね(笑)。
そして、昨今、「日本ブーム」「和ブーム」とやらで日本ネタは話題になりがちで、勢い、「お直しおばさん問題」とか「伝統を守るべきだ、いや、現代流で何でもありだっていいじゃないか、論争」みたいなものにも遭遇しやすいのですが、そんな時にも、ある程度は、距離をもって対応できるようになる。
私は個人的に、何を思考し判断するにも、「知識」と「理解」という「基本の土台」が必要不可欠だと思っています。それナシで物事を判断することは、単なる思い込みや偏見や願望の要素が大きくなりすぎて、あまり知的な態度だとは言えません。キモノにおいても、しかり。そうした「基本の土台」をしっかり作れるような、そんな内容の講座にしたいといつも思っています。
…と、ちょっと硬くなってしまいましたが、、講座ではいつも、浮世絵や美人画などの美しいヴィジュアル資料を見ながら、時には、歌舞伎や映画などの映像もまじえて、多角的に楽しく理解していけるような内容にしております。キモノ初心者の方も、男性の方ももちろん大歓迎です!
あ、あと、ひとつだけ。最近知ったのですが、早稲田大学オープンカレッジ会員になると、なんと、早稲田大学の中央図書館が使用できます!(貸出は不可ですが) これ、もの凄い特典だと思います。早稲田大学の図書館には、普通の図書館ではお目にかかれない、貴重な資料や本がたくさん所蔵されているので…。いや、ホントに。これだけでもお金を払う価値があると、私は思います。余計なお世話ですが…。
というわけで、土曜の昼下がりの90分、皆さんと楽しい時間を過ごせれば嬉しいです! ぜひお気軽にご参加くださいませ。
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2015年
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2016年
■「人物像で読み解くキモノファッション文化史 Ⅰ
〜花魁、太夫から、町娘、お姫様に悪婆まで」
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〜芸者、御殿女中から、江戸の色男、近代のモダンガールまで」
2017年
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■「人物像で読み解く江戸キモノファッション文化史 Ⅱ
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2018年
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〜泉鏡花と美しい女たちをめぐる、明治大正キモノ世界」