井嶋ナギの日本文化ノート

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早稲田大学オープンカレッジ 講座「人物像で読みとく着物ファッション 〜花魁、芸者から町娘、モダンガールまで」のお知らせ

News キモノ 江戸
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お知らせです。4月から早稲田大学オープンカレッジにて、講座をおこなうことになりました! タイトルは、「人物像で読みとく着物ファッション 〜花魁、芸者から町娘、モダンガールまで」です。全5回、毎回「人物像・キャラクター」(花魁、芸者、町娘、女給など)を設定して、それぞれのキモノファッションを、さまざまな資料を使って多角的に見ていく予定です。

(ちなみに、上の画像は、拙書『色っぽいキモノ』でもさんざん引用した、為永春水の人情本『春色辰巳園』。一人のイケメンをめぐる芸者や素人娘のてんやわんやを描いたお話。約180年前の、江戸時代の貴重な和本です(私物です)。こちらも資料として紹介する予定です♪)



人物像で読みとく着物ファッション
   〜花魁、芸者から町娘、モダンガールまで


【日程】4/12(土)、4/26(土)、5/10(土)、5/24(土)、6/07(土)
【時間】13:00〜14:30(90分)
【場所】中野校キャンパス →MAP
    (JR中央線・総武線、東京メトロ東西線 「中野駅」徒歩10分)
【受講費】会員11,530円、ビジター13,200円
【申込方法】Web、Tel、Fax、各校事務所窓口 →詳細はコチラ
【申込受付】3/11(火)から 9:30~17:00 (日曜・祝日・休業日のぞく)
詳細はコチラ


■「早稲田大学オープンカレッジ」会員制度について
・会員の有効期限は、入会年度を含めて4年度間(3月末日まで)
・入会金8,000円
・入会金6,000円の特例あり(早稲田大学卒業生、早稲田大学在学生父母、東京都新宿区・中央区・中野区に在住・在勤の場合ほか)
・会員にならずにビジターとしての受講も可能
・会員についての詳細はコチラ




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そんなわけですが。これまで雑誌やトークイベントなどで、「近世(江戸)から近代(明治大正昭和初期)にかけてのキモノ文化」について、書いたり話したりしてきましたが、その際に私がこだわって大切にしてきたのは、昔のキモノ文化をただ通時的に見るのではなく、「特定の職業や身分という枠を設定して見ていく」、ということでした。

なぜかと言いますと、キモノが日常的だった江戸時代や明治大正時代においては、身分や職業によって着るものや身につけるものが違ったからで、キモノはその人の身分や職業を表す大切な「記号」であったからです。そして、これこそが、今の私たちにとって、キモノがある意味でわかりにくくなってしまった大きな理由のひとつだと思ったからでした。

なんと言いますか、現在のキモノや着付け方は、「一元化」してしまっているところがありますよね。1つの絶対的な「正しさ」があると思いこみ、その「正しさ」に当てはまっているかどうかビクビクしてしまったり、ちょっとユルい着付けの人を見かけると、鬼の首でもとったかのように指摘したり(笑)。

もちろん、昔だって、キモノというジャンル全体を貫く大きなルールは、もちろんありました。だけど、昔は、大きなキモノジャンルのなかに、それぞれ独自の特徴をもったキモノ文化の系統がいくつも存在したのです! 例えるならあれです、「ヒト科」というジャンルのなかに、「オランウータン属」があれば「ゴリラ属」「ヒト属」もあり「チンパンジー属」もある、みたいな感じ。もちろん、全体を貫いている共通点はあるけど、だからって、オランウータン属がヒト属に「体毛がない体をさらして歩くとは、下品な!」なんていちいち思わないでしょう(笑)。それと同じように、昔は、それぞれ別々の特徴をもったキモノ文化があって、それらは同時に存在して、共存していたわけです。あ、別に、どれがヒトでどれがオランウータンだ、とかいう話じゃありませんよ(念のため)。


このように、身分や職業などによって異なったキモノファッションが存在していた時代とは違い、現代には、身分制もありませんし、昔の職業も存在していませんし、そもそもキモノはもう日常着ではありません。だけど、今も、明らかにキモノは存在している。そして、実は、私たちの気づかない部分で、昔のキモノ文化の名残りをあちこちにとどめているのが、現代のキモノなのです。

そのひとつの例を挙げれば、例えば、今の私たちにとってキモノをとっつきにくいものしている「格(かく)」という概念。これなんか、身分社会を知れば何てことはない、「着るものにも身分がある」ってだけのことだったりします。「こっちのほうが値段も高いし、センスもいいのに、なぜ格が低いんだ!」と、憤ったってしょうがない。値段が高いとか、センスがどうだとか、優秀だとか、人格だとか、そんなの関係ナシ。それが身分制です!(もちろん、ルールあるところ例外ありですが。これはまた別のお話)。


そんなわけで、昔のキモノ文化を知ることは、実は、現在のキモノの理解にとても役立ちます。さらに言えば、歌舞伎や、浮世絵、文学、映画などなど、さまざまな日本文化への理解も深まるので、わりと一石二鳥かと(笑)。

今回の講座では、「こういう身分職業の人々は、こういうファッションでした」ということを具体的に明らかにするだけでなく、浮世絵、美人画、小説、歌舞伎、映画などのさまざまな資料を用いて、「そういった身分職業の人々は、どのような人々だったのか」といったことから、「そういった身分や職業の人々は、これまでどのように描かれてきたのか」ということまで見ていけたら、と思っています。つまり、「キモノをめぐる文化史」のような内容にしたいと思っております。みなさま、ぜひお気軽にご参加くださいね! 




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