お知らせです。春に引き続き、秋(9〜11月)も、早稲田大学オープンカレッジで講座をおこないます。タイトルは、「着物で読み解く名作日本文学 〜夏目漱石から、泉鏡花に永井荷風、有吉佐和子まで」です。ぜひぜひ、お気軽にご参加くださいませ♪
「着物で読み解く名作日本文学
〜夏目漱石から、泉鏡花に永井荷風、有吉佐和子まで」
【日程】9/27(土),10/11(土),10/25(土),11/15(土),11/29(土)
【時間】15:00~16:30(90分)
【場所】中野校キャンパス →MAP
(JR中央線・総武線、東京メトロ東西線 「中野駅」徒歩10分)
【受講費】会員11,500円、ビジター13,200円
【申込方法】Web、Tel、Fax、各校事務所窓口 →詳細はコチラ
【申込受付】会員先行受付は7/25(金)まで
一般・ビジターは8/26(火)より受付開始
・詳細はコチラ
■「早稲田大学オープンカレッジ」会員制度について
・会員の有効期限は、入会年度を含めて4年度間(3月末日まで)
・入会金8,000円
・入会金6,000円の特例あり(早稲田大学卒業生、早稲田大学在学生父母、東京都新宿区・中央区・中野区に在住・在勤の場合ほか)
・会員にならずにビジターとしての受講も可能です
・詳細はコチラ
というわけで、扱う文学作品は、以下のとおりです。
09/27 泉鏡花 『婦系図』
10/11 夏目漱石 『それから』
10/25 永井荷風 『つゆのあとさき』
11/15 谷崎潤一郎 『細雪』
11/29 有吉佐和子 『香華』
上記の作品を、事前に読んできていただけたら、より内容がわかって良いと思います…! ただ、時間がない場合もあるかと思いますので、事前に読んでいなくてもOKな講義内容にしたいと考えています。が、その場合「ネタバレ」は致し方がないということで、ご了承くださいませ…。
テキストについては、以下にオススメのものをご紹介しておきますね。一応、ネットで無料公開されている青空文庫のリンクも貼っておきますが、実際は、できるだけ文庫などで発売されているものをオススメしたいと思います(テキストのデジタル化に際して、不備がある場合もあるため)。
泉鏡花 『婦系図』
■ 新潮文庫 『婦系図』新潮文庫
新字新仮名で読みやすく、文字も大きめで、1冊にまとまっており簡便。一番オススメ。解説は吉田精一・四方田犬彦。
■ 岩波文庫 『婦系図 前篇』『婦系図 後篇』
旧字旧仮名かつ古い活字のままなので、少々読みにくいかも?(私は好きなんですが…) 解説は里見弴。
■ 青空文庫 『婦系図』
夏目漱石 『それから』
■ 新潮文庫 『それから』
新字新仮名で読みやすく、注釈も付いていてオススメ。解説は柄谷行人。
■ 青空文庫 『それから』
永井荷風 『つゆのあとさき』
■ 岩波文庫 『つゆのあとさき』
文庫は岩波文庫のみ。解説は中村真一郎。
■ 青空文庫 『つゆのあとさき』
谷崎潤一郎『細雪』
■ 新潮文庫 『細雪 (上)』『細雪 (中)』『細雪 (下)』
注釈が充実していて、一番オススメ。解説は磯田光一。
■ 中公文庫 『細雪』
1冊にまとまっているのは嬉しいのですが、分厚すぎて少々読みづらいかも? 田村孝之介による挿絵も掲載。解説は田辺聖子。
有吉佐和子『香華』
■ 新潮文庫 『香華』
文庫は新潮文庫のみ。解説は小松伸六。
今年の春に、「人物像で読みとく着物ファッション 〜花魁、芸者から町娘、モダンガールまで」という講座を開催しましたが(→レポートはコチラ★)、秋の講座は、「着物で読み解く名作日本文学 〜夏目漱石から、泉鏡花に永井荷風、有吉佐和子まで」。日本の名作文学をベースに、着物やそのまわりの歴史的文化的なことなどを、じっくり見ていきたいと思っています。
ところで、なぜ、キモノと文学なのか? ということについて少し。そもそも、私がキモノに興味を持ったきっかけのひとつが、明治大正あたりの近代文学でした。高校生の頃、いわゆる「日本名作文学」を読みあさっていた私は、泉鏡花や尾崎紅葉などの作品を読むたびに、「着るものの描写の細かさ」にのけぞっていました。絽って何だ? 三枚襲って? お召しって何!? 何か、魅惑的な呪文を読んでいるような感覚に襲われて、言葉に酔ったようにクラクラしていたものです(それはそれで楽しいものでしたが笑)。
もちろん、そうした細部がわからなくても、作品を楽しむぶんには問題ありません。でも、背景や細部がわかれば、もっと楽しい! なぜ、ここで、この人物が、こういう装いをしているのか。その背景や意味がわかると、その人物がグッとリアルに感じられる。そして、作者が仕掛けてくれた物語が、さらに鮮やかに目の前に立ち上がってくる。それは小説好きには、得も言われぬ至福のひとときなんですよね…! あ、もちろん、そんなキモノ知識があれば、小説だけでなく映画や歌舞伎を見るのにも役立つし、自分でキモノを着るときにももちろん役立つはずです♪(と、実践面も強調)
そんなわけで、5つの文学作品をとりあげつつ、関連する他の作品や映像などもまじえつつ、とは言っても肩肘は張らずに、「日本文学を味わう楽しいひととき」を皆さんと過ごせたらと思っております…! ぜひぜひお気軽にいらしてくださいね。
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